かし保険躯体検査時 前後の工事の注意点、今回は横架材について確認していきましょう。
横架材のチェックポイント
横架材とは
横架材とは建物に水平に架かる部材の総称のことです。梁(はり)や桁(けた)、棟木(むなぎ)、母屋(もや)、胴差(どうさし)などがあり、主に4つの構造的役割があります。
■ 横架材 概念図
【横架材の役割】
- 建物にかかる鉛直荷重を柱に伝達
- 耐力壁の外周枠材として水平力に抵抗
- 水平構面※の外周枠として水平力に抵抗
- 外壁に面する吹抜けで風圧力に抵抗
※ 水平構面 : 天井や2、3階床等を示す
横架材の欠き込みについて
給水・排水などの設備配管や電気配線のために、梁や柱などの構造材を欠き込んでしまうことがあります。しかし梁、桁その他の横架材は、その中央部付近の下側に構造耐力上支障のある欠き込みをすると検査不適合となります。
■ 横架材の欠き込みをしてはいけない理由
横架材に中央部付近の下側に構造耐力上支障のある欠き込みがあると、木材の繊維方向に割れが発生し、曲げに対する強度が低下します。横架材下部の中央付近には、欠き込みを設けないようにしてください。
◎ 梁の曲げの性能は、梁成の2乗に比例します。
欠き込み成が3/4になると、その部分の曲げ性能は、3/4×3/4=9/16で56%に低下します。
<参考資料> 横架材(梁)に開口部を設ける場合の施工方法
パイプスペース等の設置が出来ずどうしても開口部を設けなければならない場合は、以下を参考にしてください。
■ 側面に開口部を設ける場合
■ 梁上部に開口部を設ける場合:側面部に設置
■ 梁上部に開口部を設ける場合:天端部に設置
横架材のチェックポイント【1】
横架材は構造耐力上支障のある
中央部付近の下側に欠き込みを設けてはいけない
横架材の継手位置について
横架材の継手の位置は曲げ応力とせん断力が小さい部分に設置しなければなりません。長スパン梁の中央部は曲げ応力が大きいので、継手は荷重負担の少ない短スパン部分に設けるのが大原則となります。特に直交梁を受ける梁部分や外壁に面する吹抜け部分には継手を設けないようにしましょう。
また梁の中間で柱を受ける箇所の継手の設置は厳禁です。さらにその上の小屋梁部分にも極力継手を設けないようにしてください。
横架材の継手位置の注意点
■ 集中荷重付近の継手
■ 耐力壁内の継手
■ 吹抜け部の継手
横架材のチェックポイント【2】
継手は荷重負担の大きい箇所に設けない
横架材の断面寸法の検討
図のように2階の柱を受ける梁や筋かいの下部がとりつく柱を受ける梁や桁は、上階の柱・壁の位置やスパンの状況に応じて、通常より梁の断面を大きくするなどの配慮が必要です。
横架材のチェックポイント【3】
応力のかかる部分は梁の断面を大きくする