基礎配筋廻りのチェックポイント(1)
鉄筋の径・間隔(ピッチ)について
配筋廻りのチェックポイント① 鉄筋の径・間隔
全体を俯瞰で見る視点と細部を精査する視点が必要
- ピッチ(鉄筋と鉄筋の間隔)は正確であるか
- 使用されている鉄筋の径(直径)が設計図書通りであるか
- 傾き、曲がり、たれや歪み等はないか
基礎配筋工事のチェックポイントは多数ありますが、設計図書と一致していることは大原則です。
その上で、全体を見渡して曲がりや歪みなどが無く、指定の正確なピッチでの配筋状況であるか、また、それぞれの鉄筋の径が設計図書の指定通りの物であるかなど、細部もあわせて確認する必要があります。
【配筋の径、ピッチ等】
- 配筋のピッチや径は図面の指定通りか確認する。
- 鉄筋の間隔(ピッチ)や立上りの鉄筋の間隔(ピッチ)などは、できるだけ多くのポイントで計測する。
- 各通りの縦筋やベース配筋の傾き、通り、曲りが無いかを目視にて確認する。
■ ベース筋や縦筋の配筋ピッチを確認
■ 鉄筋の識別方法
一般的な木造の基礎では、SD295AのD10、D13またはD16を使用します。
鉄筋の突起の数を確認してください。
定着長さと継手について
※コンクリート強度や鉄筋の種類により長さは異なります。下記は一例として掲載していますが、
建築基準法等の関係法令に従い、適切に設計施工してください。
配筋廻りのチェックポイント② 定着長さ・継手長さ
指定寸法以上を確保し、しっかりと結束されているか
定着長さについて
基礎のコーナー部分では、立上り部分の主筋(水平方向)に重なる部分の長さ(定着長さ)が十分であるかを基礎の上端と下端の双方で確認します。
定着長さは“ 40d=主筋の径の40倍の長さ ”
例えば、主筋がD13(直径13㎜)の場合、13㎜×40=520㎜以上となります。
下図の矢印の範囲が、定着長さ(鉄筋を重ねている部分)です。
基礎立上りの縦筋(垂直方向)や底盤(スラブ)も同様に定着長さを確認しましょう。
■ 基礎主筋の定着長さの一例
■ スラブ筋の定着長さの一例
継手について
鉄筋が長さが足りなくなった箇所では鉄筋を継ぎ足します。
この部分を、継手と言います。
継手長さは“ 45d=主筋の径の45倍の長さ ”
鉄筋の径が13㎜(D13)ならば、13㎜×45=585㎜以上となります。
継手位置は連続しないように設定すること、また鉄筋の重ねは原則として同じ径の鉄筋で2本までとし、3本以上にならないような工夫が必要です。
■ 継手長さ
【定着長さと継手長さ】
- 基礎の断面、鉄筋の仕様、間隔は設計図書通りであること。
- 継手長さ= 45d 定着長さ= 40d
- 鉄筋の重ねは原則2本重ねまで、3本以上に重ならないような工夫が必要。
かぶり厚について
配筋廻りのチェックポイント③ かぶり厚
鉄筋の酸化予防とコンクリートのクラック防止のために指定寸法以上を確保する
かぶり厚とは、鉄筋からコンクリートの表面までの距離のことです。
かぶり厚は鉄筋の酸化予防とコンクリートのクラック防止に重要な項目で、必要なかぶり厚をとれないと、建物の耐久性の面で問題が生じることになります。
鉄筋上端部および基礎立上り部のかぶり厚は40mm以上とし、基礎底盤(土に接する部分)のかぶり厚は60mm以上を確保します。
■ 鉄筋上端部および基礎立上り部と基礎底盤のかぶり厚
スペーサーについて
底盤部分のかぶり厚を確保するために、スペーサーを使用して鉄筋を地面から浮かせます。底盤部分のスペーサーが鉄筋からずれてしまうと、鉄筋が部分的に下がってしまい、必要なかぶり厚を取れないことがあります。
また、スペーサーには鉄筋のたわみを防ぐ機能もあり、建物の品質を確保することができます。
ベタ基礎の場合は、キューブ状のスペーサーブロックを使って、鉄筋を地面から60㎜以上浮かせます。スペーサーブロックは面によって寸法が違うので、置き方には注意してください。
設置は1mごとに1箇所設置がおおよその目安となります。
【かぶり厚のポイント】
鉄筋上端部および基礎立上り部のかぶり厚は40mm以上とし、基礎底盤(土に接する部分)のかぶり厚は60mm以上とする。
- 底盤部分のかぶり厚確保と鉄筋のたわみ防止のためにスペーサー(ブロック)を使う。
- スペーサーブロックを使う場合は面によって寸法が違うので、長辺と短辺の長さに注意して設置する。
- 設置間隔は1mごとを目安とする。
■ スペーサーブロックの設置例(スラブ配筋の間隔が200mの場合)
さて、今回はかし保険基礎配筋検査 前後の工事の注意点として、地縄張りから配筋・かぶり厚までの作業のポイントについてお伝えしました。
次回は後編として、基礎部分の補強筋・アンカーボルトなどについてご説明します。
では今日のまとめです。
次回は4月末配信の予定です。
どうぞお楽しみに!
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