今回の調査地は洪積台地にあり、地表から
0.8~1.5mの間に民間造成による盛土がある平坦な地形だ。
造成期間は40年経過。地表面の土質は粘性土が中心。
危険予知が必要な重要な要素は見当たらない。
隣地の外壁に亀裂があったが、この場合は明らかに外壁の劣化が原因だったのであまり注意は必要ない。さてそれぞれの測点試験記録は見てみたかな?
0.8~1.5mの間に民間造成による盛土がある平坦な地形だ。
造成期間は40年経過。地表面の土質は粘性土が中心。
危険予知が必要な重要な要素は見当たらない。
隣地の外壁に亀裂があったが、この場合は明らかに外壁の劣化が原因だったのであまり注意は必要ない。さてそれぞれの測点試験記録は見てみたかな?
はい、見てみました。5地点ともなんとなく同じ深さのところが弱いように思うのですが。。
そう。なので、それぞれの試験記録の右側の荷重グラフ欄だけを並べてみるといい。
こんな感じだな
こんな感じだな
わあ、ほんとだ。
深度0.5~1.5m地点と6~7m地点が弱いことがわかります!
深度0.5~1.5m地点と6~7m地点が弱いことがわかります!
地表面は盛土の部分だな。
6m地点のものはもともとの地盤状況によるものだろう。
あと、何か気づいたことはあるかな?
6m地点のものはもともとの地盤状況によるものだろう。
あと、何か気づいたことはあるかな?
・・・あの~、ちょっと疑問に思ったのですが
換算N値が3以下のところに支持力の数字が入っていないのは
なぜでしょうか?
換算N値が3以下のところに支持力の数字が入っていないのは
なぜでしょうか?
うん、良いところに気が付いたな!
支持力とは正式名称を「地盤の長期許容支持力度」といい
荷重が加わったときに地盤が破壊せずに耐えることができる強さを表す。算定計算式は3つあるのだが
このうち国土交通省告示の計算式の場合は、B貫入1m当半回転数(Nsw)が0だと算定不可となるため、試験記録には数字が入っていない。
しかし、これはちょっとまずいな・・・。
支持力とは正式名称を「地盤の長期許容支持力度」といい
荷重が加わったときに地盤が破壊せずに耐えることができる強さを表す。算定計算式は3つあるのだが
このうち国土交通省告示の計算式の場合は、B貫入1m当半回転数(Nsw)が0だと算定不可となるため、試験記録には数字が入っていない。
しかし、これはちょっとまずいな・・・。
ええっと、それは前回習った“基礎下から2mの位置に1.0kN(約100㎏)以下のおもりで自沈する層がある”から ということですか?
SWS試験の支持力算定の考え方はこちらを再確認!
そう。調査地の場合、深度2~5mの部分は良いとして
盛土の部分はさらに検証が必要だ。
よし、5つの測点の基礎下2m前後までの部分を
「日本建築学会」小規模建築物基礎設計指針の計算式で確認してみよう。
盛土の部分はさらに検証が必要だ。
よし、5つの測点の基礎下2m前後までの部分を
「日本建築学会」小規模建築物基礎設計指針の計算式で確認してみよう。
わあ!
微妙に違う!
微妙に違う!
■ 小規模建築物設計指針での地盤の長期許容支持力計算
qa=30Wsw+0.64Nsw
それぞれの地点に対し「Wsw」、「Nsw」とも平均値を使って算出
(記号上のオーバーラインは平均値を示す)
小規模建築物設計指針の計算式で求めた長期許容支持力は以下の通りになる。
すべての地点の数値が設計設置圧(建物の総重量/基礎スラブ面積)を上回っていれば支障なしと判断できる。
設計設置圧は基礎の形状によって異なり、接地面積の小さい布基礎よりも接地面積が大きいベタ基礎の方が荷重が分散されて接地圧が小さくなる。
今回の計画はベタ基礎を予定しており、設計設置圧は20.00(KN/㎡)となっているので、基礎下2m前後の部分の長期許容支持力は問題ないと判定できるだろう。
すべての地点の数値が設計設置圧(建物の総重量/基礎スラブ面積)を上回っていれば支障なしと判断できる。
設計設置圧は基礎の形状によって異なり、接地面積の小さい布基礎よりも接地面積が大きいベタ基礎の方が荷重が分散されて接地圧が小さくなる。
今回の計画はベタ基礎を予定しており、設計設置圧は20.00(KN/㎡)となっているので、基礎下2m前後の部分の長期許容支持力は問題ないと判定できるだろう。
しかしこの調査地については、さらに沈下についても引き続き検証が必要になるな。
なるほど!
よくわかりました!
よくわかりました!
さて、ここで一度休憩しようか。
休憩後に現地で採集してきた土の含水率を調べてみよう。
これには電子レンジを使うのさ。
休憩後に現地で採集してきた土の含水率を調べてみよう。
これには電子レンジを使うのさ。
…へええ!
だから3台も
あったんだ~!
だから3台も
あったんだ~!
ジバンシー先生のワンポイントレッスン
今回は電子レンジを使った含水比試験についてご説明します。
含水量の測定方法は
- 110±5℃の炉乾燥によって水を蒸発させて求める炉乾燥法
- 電子レンジによる加熱で水を蒸発させて前後の質量の違いから求める
電子レンジ法
があります。
電子レンジ法で使用する電子レンジは家庭用の500~600W程度のもので、回転台を有するものが望ましく、3個一組の試料を加熱して行います。加熱時間は火山灰質の高含水比粘土13~17分、有機質土15~20分、それ以外の土7~10分が目安です。
含水率比(%)は以下の式で求められます。
W=(ma-mb)/(mb-mc)×100
ma:試料と容器の質量(g)mb:乾燥試料と容器の質量(g)mc:容器の質量(g)
自然含水比が20~30%以下のものは砂質土、40~50%以上のものは粘性土、200%以上になると有機質土と考えることができます。
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