試験データについて
試験データから読み取れること
調査結果を記したスクリューウエイト貫入試験(SWS試験)データは、その土地の状態についての情報が一目でわかるようになっています。これまでに確認した事前調査→現地踏査の流れをふまえ、データを読み込んでいきましょう。
SWS試験データの確認ポイント
◎測定点位置図の用意
- 測定した箇所を位置図に正しく記載する
◎盛土の有無確認
- 盛土がある場合はその旨記載し、深さを記録する
◎地下水位(孔内水位)の有無確認
- 敷地に地下水が流れている場合はその深さを記載する
◎換算N値の数値読み込み
- 地盤の強さの指標となる数値から地盤の強弱を判断する
◎自沈層の有無確認
- 負荷を加えず錘のみで沈んでいった貫入深さを明示し、弱い地盤の有無を確認する
◎土質の状況判定
- 各層の土質の状況を確認し地盤の強弱を検証する
◎地盤の傾斜状況確認
- 計測ポイントごとのデータを確認し、同じ地盤内での地盤の傾斜状況を確認する
測定点位置確認
SWS試験では対象敷地に対し、建物の配置に合わせ、原則として周囲4点と中央1点の計5か所に行います。試験を行った箇所について図面でもう一度確認します。
○ 地盤の傾斜状況
調査地は隣地との境界に向かってなだらかに傾斜、また南側道路側の測点5に向かっても傾斜している状態です。
調査報告書
事前調査→現地踏査の内容をまとめたチェックリストはSWS試験のデータ解析には欠かせません。特に造成の経過期間や盛土の有無(ある場合はその深さ状況)、近隣建物の異常や埋設物の有無などは地耐力判定に大きな影響があります。
チェックリストを参照しながらデータを検証していきましょう。
■ チェックリストの例
SWS試験データの確認
SWS試験では25㎝貫入させるのにハンドルを何回半回転させたかで、その地盤を判断します。このたたため、 A 深度度(貫入深さ)は0.25m単位で記載されており、例えば3.00と表記された部分については2.75m~ 3.00m間の調査結果が記載されています。また半回転数( B 1m当の半回転数は半回転数×4)は荷重1.00kNで自沈が起こらなかった場合、ハンドルを半回転ずつ回し、25㎝貫入させるのに行った半回転数を記しています。試験データは右側が荷重グラフ欄となっており、 B 貫入1m当半回転数が0よりも左にある地点で自沈が起こっていると判断できます。また C 換算N値とはSWS試験の場合に求められるN値(土の締まり具合や強度を求める基準となる数値)のことを指します。換算N値は土質によって異なる換算式を用いて、地盤の強度を推定します。砂質土の場合は概ねN値5以下、粘性土の場合はN値3以下が軟弱地盤の目安です。
それぞれの測点ごとのデータを確認した後、敷地全体のバランスを見ていきます。
■ SWS試験データの例