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2024年の新築住宅着工戸数と
今後の新築・リフォーム市場について

2024年の新築住宅着工戸数と今後の新築・リフォーム市場について

住宅事業者の皆様はチェックされている方が多いと思いますが、毎月末に新築住宅等の着工戸数が国土交通省から「建築着工統計調査報告」というかたちで発表されています。そこで今回は、調査報告に基づいた、昨年の新築住宅の着工状況と今後の住宅市場の動向、リフォーム市場などについて解説いたします。

2024年 新築住宅の着工戸数

国土交通省が公表している『建築着工統計調査報告令和6年計』より、昨年1年間の持家(注文住宅)、分譲(建売住宅)、貸家の全体の数字と各地域の数字を分かりやすく掲載すると共に、数字の解説を簡単にしております。

①持家(注文住宅)

●全国総計及び各地域別戸数と前年との比較

地域戸数前年前年比
全国総計218,132戸224,352戸-6,220戸(-2.8%)
首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)46,237戸47,613戸-1,376戸(-2.9%)
中部圏
(岐阜・静岡・愛知・三重)
33,274戸33,727戸-453戸(-1.4%)
近畿圏(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)29,106戸29,279戸-173戸(-0.6%)
その他109,515戸113,733戸-4,218戸(-3.7%)
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持家の減少は比較的押さえられているが、10月まで35カ月連続減少していたのがひと段落した印象となった。

②分譲(建売住宅)

●全国総計及びマンション・戸建の各地域別戸数と前年との比較

地域戸数前年前年比
全国総計225,309戸246,299戸-20,990戸(-8.5%)
戸建総計121,191戸137,286戸-16,095戸(-11.7%)
首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)53,339戸59,412戸-6,073戸(-10.2%)
中部圏
(岐阜・静岡・愛知・三重)
14,562戸16,702戸-2,140戸(-12.8%)
近畿圏(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)18,172戸19,686戸-1514戸(-7.7%)
その他35,118戸41,486戸-3,817戸(-15.3%)
マンション総計102,427戸107,879戸-5,452戸(-5.1%)
首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)50,990戸52,746戸-1,756戸(-3.3%)
中部圏
(岐阜・静岡・愛知・三重)
11,217戸9,540戸1,677戸(18.6%)
近畿圏(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)22,172戸23,728戸-1,556戸(-6.6%)
その他18,048戸21,865戸-3,817戸(-17.5%)

※調査報告書と同じように長屋(479戸)、木造マンション(1,212戸)は除いております。(政府統計の総合窓口の表番号18

(新設住宅)利用関係別、構造別、建て方別/戸数、床面積 2024年参照、国土交通省電話確認済み)

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・分譲全体でみるとマンションよりも戸建の減少が大きく対前年比で-10%以上となった。
・地域別では、中部圏のマンションのみ18.6%の増加、それ以外はマンションも戸建もマイナス、近畿地方の減少は他の地域よりも抑えられている印象となった。

③貸家

●全国総計及び各地域別戸数と前年との比較

地域戸数前年前年比
全国総計342,044戸343,894戸-1,850戸(-0.5%)
首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)132,146戸132,125戸+21戸(0%)
中部圏
(岐阜・静岡・愛知・三重)
31,192戸32,329戸-1,137戸(-0.4%)
近畿圏(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)61,835戸59,336戸+2499戸(+0.4%)
その他116,871戸120,104戸-3,233戸(-0.3%)
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貸家は、首都圏で横ばい、近畿圏では若干増加している。

④給与住宅(会社等が給与の一部として与える住宅)

全国総計:6,613戸※前年比等は省略

2024年 新築住宅着工戸数(①~④の合計)

●全国総計及び前年との比較

合計持家分譲賃貸給与住宅
792,098戸218,132戸225,309戸342,044戸6,613戸
前年比-27,525戸(-3.4%)前年比-6,220戸
(-2.8%)
前年比-20,990戸(-8.5%)前年比-1,850戸
(-0.5%)
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新築住宅着工総戸数は2年連続で前年を下回り80万戸割れは前年のリーマンショックの影響で景気が低迷した2009年以来となった。

※出典:国土交通省 建築着工統計調査報告(令和6年計分)内の記者発表資料(令和6年計分)『建築着

工統計調査報告 令和6年計

2025年の新築住宅着工戸数予測

一般財団法人建設経済研究所が公表している『建設経済モデルによる建設投資の見通し(2025年1月)』と『建築着工統計調査報告 令和6年計』を参考に、下記の理由から独自に今年の新築住宅着工戸数を予測してみました。

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◎2025年の住宅着工戸数予測
・全国総計:77.4万戸前年比-2.2%程度
・持家(注文住宅):21.5万戸(前年比-1.0%程度)
・分譲(建売住宅):21.4万戸(前年比-5.0%程度)
・貸家:33.9万戸(前年比-0.6%程度)
■理由:金利上昇による住宅検討者の購入意欲の減退、物価高による住宅価格の高騰が継続4月の建築基準法等の改正による着工遅延などが発生し、住宅需要・供給を抑制

2040年度までの新築住宅着工戸数の見通し

株式会社野村総合研究所が2024年6月13日に発表した『2040年度の新設住宅着工戸数は58万戸に減少、2043年の空き家率は約25%まで上昇する見通し』から、2040年度までの住宅着工戸数の予測について、確認したいと思います。

●2040年度までの住宅着工戸数の実績値と予測値のグラフ

※上記表は野村総合研究所のデータをもとに株式会社ハウスジーメンが作成

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◎かんたん解説
2024年以降は着工戸数の増加はなく、減少が続いている
・2025年から2040年の15年間で27万戸が減少(25年度から-31.8%)している
・前年度より著しい減少があったのは、バブル崩壊の91年(-33万戸)、阪神淡路大震災後の97年(-29万戸)、耐震偽装事件後の07年(-25万戸)、リーマンショック後の09年(-26万戸)
・ネガティブな社会情勢や建築基準法の改正が発生すると減少幅が大きくなる
・増税前の駆け込み需要後は減少に転じている

※出典:株式会社野村総合研究所『2040年度の新設住宅着工戸数は58万戸に減少、2043年の空き家率

は約25%まで上昇する見通し

リフォームに関する調査データ

2040年度までのリフォーム市場規模について

株式会社野村総合研究所の同資料より、2040年までのリフォーム市場の実績と予測について、確認したいと思います。

●2040年度までのリフォーム市場規模の実績値と予測値のグラフ

※上記表は野村総合研究所のデータをもとに株式会社ハウスジーメンが作成

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◎かんたん解説
・広義の実測値で2009年(5.6兆円)から2022年(8.1兆円)までの市場規模を比較すると、2.5兆円(+45%)増加している
・現在の新築市場規模を14兆円程度と推測すると、先の予測通りに新築着工戸数が減少した場合、2040年のリフォーム市場規模は新築市場規模に近づく

※出典:株式会社野村総合研究所『2040年度の新設住宅着工戸数は58万戸に減少、2043年の空き家率

は約25%まで上昇する見通し

リフォーム実施者に関するアンケート調査結果

一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が公表している『2023年度 住宅リフォーム消費者(検討者・実施者)実態調査報告書』からリフォーム実施者の実態を確認します。

※リフォーム実施者調査概要は以下になります。

・調査時期: 2023年7月11日(火)~7月19日(水)
・調査地域: 全国
・調査対象: 過去3年以内に(自身の住まいの)リフォーム実施/世帯主・自己所有に該当する25歳以上の方
・調査方法: インターネットリサーチ
・有効回答数:1,041サンプル(本調査)

●リフォーム実施者の住宅の築年数別割合ときっかけ

住宅の築年数割合きっかけ※上位2種のみ抜粋
1位2位
5年未満4.8%居住人数の変化・子の成⾧に伴って、手狭となったから特定の目的の部屋やスペースが欲しかったから
5年以上10年未満9.4%
10年以上15年未満12.4%設備や機器が古くなった又は壊れたから壁、床、天井、屋根など住宅の構造部分が古くなった又は壊れたか
15年以上20年未満14.3%
20年以上25年未満13.7%設備や機器が古くなった又は壊れたから壁、床、天井、屋根など住宅の構造部分が古くなった又は壊れたか
25年以上30年未満14.1%
30年以上31.4%壁、床、天井、屋根など住宅の構造部分が古くなった又は壊れたから設備や機器が古くなった又は壊れたから

※上記表は住宅リフォーム推進協議会のデータをもとに株式会社ハウスジーメンが作成

●実施したリフォーム箇所の割合

属性リフォーム箇所※上位5種のみ抜粋
1位2位3位4位5位
全体トイレ・便所浴室・洗面所キッチン・調理室リビング・居間外壁(バルコニー、庇を含む)
戸建外壁(バルコニー、庇を含む)トイレ・便所浴室・洗面所キッチン・調理室屋根(屋上含む)
マンショントイレ・便所浴室・洗面所キッチン・調理室リビング・居間ダイニング・食堂
20~40代リビング・居間トイレ・便所浴室・洗面所キッチン・調理室ダイニング・食堂
50代以上トイレ・便所浴室・洗面所キッチン・調理室リビング・居間外壁(バルコニー、庇を含む)

※上記表は住宅リフォーム推進協議会のデータをもとに株式会社ハウスジーメンが作成

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◎かんたん解説
・リフォームを実施した内、40.9%築20年未満
・リフォームのきっかけとなるのは構造や設備等の劣化が大多数であるが、築年数が浅いと環境の変化使い勝手によるものも多い
・リフォーム箇所は毎日利用する部分で設備機器等の劣化状況が目に留まりやすい、トイレや浴室、キッチンが多く、過ごす機会が多いリビング・居間も多い

※出典:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会『2023年度 住宅リフォーム消費者(検討者・実施者)実態調査報告書

まとめ

  • 新築受注以外での収益これまでのデータから、新築住宅市場2006年以降、急速に縮小していると共に、今後、縮小規模は拡大すると予測されている。一方、リフォーム市場2009年以降、増加しており、いずれは新築住宅市場に迫るポテンシャルがあると予測されている。 ここから分かる通り、今後の住宅市場は新築以外での収益に目を向けないと厳しい状況になると思われ、リフォーム市場のポテンシャルが高いということであれば、まずは既に関係が構築されているOB顧客に築年数や属性に応じたリフォームのアプローチすることが重要ではないのでしょうか。            

OB顧客の収益化サポート

新築住宅市場の急速な縮小を背景に『今後を生き抜くためには、既存住宅、特にOB顧客とどう向き合っていくかが重要な課題』です。


この共通課題に十分意識をお持ちの住宅事業者様であっても、実際、下記のようなお悩みをお持ちのケースもあるのではないでしょうか?

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