国土交通省では、共同住宅(分譲マンション及び賃貸住宅)を対象に、事故防止や防犯対策などの子どもの安全・安心に資する住宅の新築・改修の取り組みや、子育て期の親同士の交流機会の創出に資する居住者間のつながりや交流を生み出す取り組みに対し、支援する令和6年度事業の募集を4月1日より開始しております。
事業の概要
補助対象となる共同住宅は、賃貸住宅の新築・改修、分譲マンションの改修です。
補助内容
① 子どもの安全確保に資する設備の設置に対する補助
転落防止の手すりや補助錠の設置、防犯性の高い窓や玄関ドアの設置など、住宅内での事故防止や不審者の侵入防止などを目的とした子どもの安全確保に資する設備の設置に対して支援します。
新築:事業費の1/10 改修:補助対象事業費の1/3 ※上限100万/戸
② 居住者等による交流を促す施設の設置に対する補助
多目的室(キッズルーム・集会室)の設置やプレイロット(遊具・水遊び場・砂場)の設置など、居住者間や地域との交流を促す施設の設置に対して支援します。
新築:事業費の1/10 改修:補助対象事業費の1/3 ※上限500万
補助額の計算方法
●新築の場合(賃貸住宅建設型)
補助対象事業 | 補助率 | 補助金の額の上限 | |
---|---|---|---|
A | 子育て支援型共同住宅※の建設 | 1/10 | 住宅の戸数に100万円を 乗じた額 |
B | 居住者等による 交流を促す施設の建設(必須) | 1棟ごとに500万円 |
※分譲マンション又は賃貸住宅であって、「子どもの安全確保に資する設備の設置」がされているもの
下記の①②のいずれか小さい方が補助額となります。
① 補助率による計算:補助対象工事費 × 補助率1/10
② 上限額による計算:100万円/戸 + 500万円/棟
※補助対象工事費:対象外費用除く建物本体+交流促進設備の外構費用
<計算例>
1棟20戸を全て子育て支援型共同住宅として新築する場合
※新築の総工事費が1棟20戸で3億円とする
以下の①~②の計算方法のうち、低い金額が補助額となります。
①補助率による計算 3億円 × 1/10 = 3,000万円
②上限額による計算 100万円 × 20戸 + 500万円 = 2,500万円
⇒この事例では、2,500万円が補助額となります。
●改修の場合(賃貸住宅改修型/分譲マンション改修型)
補助対象事業 | 補助率 | 補助金の額の上限 | |
---|---|---|---|
A | 子どもの安全確保に資する 設備の設置 | 1/3 | 住宅の戸数に100万円を 乗じた額 |
B | 居住者等による 交流を促す施設の設置 | 1棟ごとに500万円 | |
C | 宅配ボックスの設置 | 1棟ごとに50万円 ※1 ※2 |
※1 宅配ボックスの設置は、対象の工事費に子育て世帯の入居率を乗じた額とする。
※2 補助金申請額は、Aの事業とCの事業を合わせて実施する場合は、Aの事業の補助金額を上限とし、その金額内でCの事業を実施すること
下記①②のいずれか小さい方が補助額となります。
① 補助率による計算:補助対象事業の整備に要する費用 × 補助率1/3
② 上限額による計算:100万円/戸 + 500万円/棟
<計算例>
1棟のうち5戸を【A:子育て支援型共同住宅】として改修し、
かつ【B:居住者等による交流を促す施設】を設置、
かつ【C:宅配ボックス】を設置する場合
※Aの費用が1戸あたり450万円、Bの費用が600万円、Cの費用が300万円、子育て入居率は50%とする
以下の①~②の計算方法において、A、B、Cの事業それぞれで金額を算出し、 事業ごとに比較して低い金額が補助額となります。
①補助率による計算
A: 450万円 × 5戸 × 1/3 = 750万円
B: 600万円 × 1/3 = 200万円
C: 300万円 × 50/100 × 1/3 = 50万円 (Aの補助金額の内数となる)
②上限額による計算
A: 100万円 × 5戸 = 500万円
B: 500万円 × 1棟 = 500万円
C: 300万円 × 50/100 × 1/3 = 50万円
⇒この事例では、700万円が補助額となります。
●宅配ボックスの設置のみの場合(賃貸住宅改修型/分譲マンション改修型)
補助対象事業 | 補助率 | 補助金の額の上限 | |
---|---|---|---|
C | 宅配ボックスの設置 | 1/3 | 1棟ごとに50万円 ※1 ※2 |
※1 宅配ボックスの設置は、対象の工事費に子育て世帯の入居率を乗じた額とする。
※2 補助金申請額は、Cの事業の補助金額を上限とするため、1棟ごとに50万円とする。
補助対象事業費 × 子育て世帯の入居率 × 補助率1/3
※補助対象事業費:宅配ボックス設置にかかる費用
<計算例>
1棟のうち全ての住戸が、宅配ボックスの設置のみを実施する場合
※宅配ボックスの設置にかかる費用が300万円、子育て入居率は60%とする
以下の①~②の計算方法のうち、低い金額が補助額となります。
①補助率による計算 300万円 × 60/100 × 1/3 = 60万円
②補助上限額 50万円/棟
⇒この事例では、②の50万円が補助額となります。
補助対象となる取り組み
子どもの安全確保に資する設備の設置
新築:全項目実施必須 改修:⑥の事項の実施必須
※宅配ボックスの設置は、子育て世帯が居住世帯の3割以上である共同住宅の改修に限る
居住者等による交流を促す施設の設置
以下のうち1項目以上を実施/新築は必須、改修は補助対象とする場合のみ
応募方法
事前審査を受けた上で、応募締切りまでに事務局へ交付申請書をご提出ください。
※応募にあたっては、必ず交付申請等要領をご覧いただき、応募要件等の詳細をご確認ください
●応募締切り: 令和7年2月28日(金)(予算に達し次第終了)
▼ 交付申請等要領・申請様式は、こちらより入手してください
まとめ
今回は、国土交通省が実施している最新の補助制度「子育て支援型共同住宅推進事業」について紹介いたしました。共同住宅の新築・改修を通じて、「子育てしやすい環境作り」という社会全体の課題に取り組む本制度。活用することで、お客様に安心と信頼をお届けできるのではないでしょうか。
当社では、本補助制度をご活用される事業者様に「省エネ基準への適合性に関する説明書(住宅性能評価書、BELS評価書、フラット35S適合証明書)」を発行しております。ぜひお気軽にご相談ください!
省エネ基準への適合性に関する説明書 は、賃貸住宅建設型(=新築)の申請に必要な書類です。
対象の証明書は、住宅性能評価書、BELS評価書、フラット35S適合証明書です。
本記事は、事業内容の全てを網羅しているものではありません。
申請にあたっては、必ずこちらの事務局ホームページもご確認ください。