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「直近の国策」WEBセミナーをご覧いただく前に ~住宅業界の現状~

「直近の国策」WEBセミナーをご覧いただく前に ~住宅業界の現状~

この度は、「直近の国策」WEBセミナーにご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。こちらでは、住宅業界を取り巻く現在の状況について簡潔にご説明しています。ぜひセミナーとあわせてご覧ください。

状況1:住宅価格の高騰

皆様も既に直面しているかと思いますが、住宅価格の高騰が続いております。
不動産市場動向の調査・分析を行っている、アットホームラボ株式会社の調査レポートによると、2023年3月の首都圏の新築戸建住宅は、全エリアで前月比に対して上昇が見られました。

  • 東京23区の平均価格は6894万円で、
    1年前から500万円、2年前からだと1200万円の上昇
  • 神奈川県横浜市では、5213万円と1年前から300万円の上昇
  • 埼玉県さいたま市では、4484万円と1年前から200万円の上昇
  • 千葉県西部では、4183万円と1年前から170万円の上昇

ウッドショックによる木材価格の高騰は落ち着いたものの、コロナ渦の影響から続くコンクリートや建築資材、住設機器の価格上昇、インフレと住宅業界においては良い話はありません。

首都圏における新築戸建の価格動向(2023年3月)
出典:アットホームラボ㈱「首都圏における新築戸建の価格動向 2023年3月分」

なお、8月の同調査では、ほぼ同じ価格帯と高止まりでの横ばいとなっております。

首都圏における新築戸建の価格動向(2023年8月)
出典:アットホームラボ㈱「首都圏における新築戸建の価格動向 2023年8月分」

状況2:エネルギー問題とインフレ

ウクライナ情勢に加え、イスラエル・パレスチナ情勢とガソリン代、電気代、ガス代更には食品や生活必需品の値上げが続き、インフレ状態になっており、国内企業物価指数(左グラフ)は4月あたりで横這い状態となりましたが、依然高い状況で、消費者物価指数(右グラフ)も2020年に対して105まで上昇、これは1970年代の水準に近づいている状況で、収入は思うように上がらず、いわゆるスタグフレーションという状況になってきています。

もはや 脱炭素社会へという社会問題よりも生活防衛のために本気で省エネ化が必須の状況です。新築住宅はもちろん、既存住宅の省エネ化は避けて通れません。

状況3:金利上昇リスク

先のようにインフレが進むと住宅ローンの金利にも必ず影響が出ます。
日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)も7月28日に修正が入り、金利上昇の局面を迎えております。

以下は、金利が上昇するとどうなるのかシミュレーションしたものです。

※返済比率(年間支払額÷年収×100)は、30%以下になるようにシミュレーションしており、諸条件により異なりますので予めご了承ください。

住宅ローン4000万の場合、現在の変動金利のような0.5%であれば、年収420万円でも住宅ローンを組める可能性はありますが、極端に金利3%まで上昇すると年収で200万円UPの620万円が最低でも必要となり、総支払額は2100万増えて、6465万円となります。


東京都の平均年収が612万円、中央値で572万円と言われていますので、住宅購入層で考えると、やはり夫婦共稼ぎのダブルインカムじゃないと、とても住宅購入は難しい状況です。
既にフラット35などの固定金利は2%に近付いておりますので、3%くらいまでは覚悟しておかなければなりません。

状況4:持家着工数の減少

直近3年間の新築住宅市場をグラフにしたものです。

折れ線グラフ 青色:持家(注文住宅)、緑色:分譲住宅(戸建とマンション)

住宅着工数全体では、2021年と2022年はともに86万戸弱になっていますが、その内訳は異なった状況になっており、持家単独で見た場合は、1年間で32,000戸も減少しています。棒グラフは寄与度として全体の昨年対比にどの程度寄与しているかを表したものです。

今後の予測:中古住宅市場の活性化

住宅価格の高騰で中古住宅の価値も上昇

新築住宅の価格が上昇しているということは、良質な中古住宅の価格も上昇していることになります。自動車と同じように新車には手が届かないから中古車という流れのようになるも、空き家のようにリフォームや改修に多額の費用をかけるような中古住宅ではなく、築浅の良質な中古住宅しか流通しません。
今後は、以前のデフレ社会のように、スクラップ&ビルドで新築の方が安いということは考えにくく、アメリカのような中古住宅に資産価値のある時代になっていくのではないでしょうか。

本気で省エネを考える時代の到来

脱炭素社会の問題に世界的な情勢が加わり、エネルギー問題は更に拍車が掛かりました。光熱費の高騰は家計を直撃し、電力の安定供給も懸念される中、ヨーロッパのように電気代が2倍、3倍ともなれば生活防衛として節電や省エネは切実な問題として今以上に注目されます。
いよいよ、適当に省エネ住宅を謳うことでは将来に向けて本当に資産価値があるとは言えず、本気で省エネを考える時が来ているのです。


本WEBセミナーは、新築住宅を手掛ける住宅会社の皆様が、法改正などの国の動きを正確に捉え、お客様の生活防衛になる省エネ住宅に真剣に取り組むことで、住まいの将来の資産価値を向上させることができるようにとの想いを込めて企画いたしました。ぜひご覧いただき、今後の皆さまの活動にお役立てください。

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